category

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新刊サンプル2


「それは恋じゃねえのか」(サンプル2)



「――2号? どうしてここに」

「お?」
「あぁ? おい、今、テツの声がしなかったか」
「ああ、確かに聞こえた。頭の上から」
「…頭の上?」
顔を見合わせ、火神と青峰が2人同時に頭上を見上げ、茫然となる。思わず名を呼んだのも、2人同時だった。
「黒子?」
「テツ?」
ハモる声に、大木の枝に掴まったまま、気まずそうな声が返される。
「…どうも」
「―どうも、じゃねえ。何やってんだよ、テメエ」
心配しすぎて、ついドスの効いた声になってしまう火神に、いつもの飄飄とした口調で黒子が答える。
「木に登ってます」
「見りゃわかるわ! なんでそこにいんだって聞いてんだよ!」
火神に怒鳴られ、ちょっとむっとしながら黒子がぼそぼそと現状を説明する。
「小猫が木の上で降りられなくなって、にゃーにゃー鳴いてたんです。それで、僕が救出に向かったと、そういうわけです」
「で。猫はどうしたよ?」
「僕がここまで登ってきたら、どうやらびっくりしたみたいで、無事飛び降りました。めでたしめでたしです」
「いや、めでたしじゃねえだろ! んで、今度はお前が降りられなくなったって、そういうワケか」
「…別に。降りようと思えば、降りられます。降りられないわけじゃないです」
「嘘つけ」
意地張りやがって、と口の中で毒づいて、火神が深々と溜息をつく。そして、待ってろとばかりに木の幹へと手を掛けた。
「何、やってるんですか」
「俺が木登りが得意だってとこを、お前に見せてやろーと思ってよ」
「…別にいいです、遠慮します」
「はあ? 黒子、テメエなぁ…!」
「火神君まで登ってきたら、枝が折れるじゃないですか」
「折れねえよ」
「折れます、瞬殺です」
「お前な、人がせっかく…!」
「―あーあ、ったく面倒くせえ」
言い合う火神と黒子に痺れを切らしたように、青峰が声を荒げた。このままじゃ、いつまでたっても埒が開かない。
「飛び降りろ、テツ」
「え…?」
唐突な言葉に、黒子の目が丸くなる。まさか本気ですかと、しげしげと青峰を見た。
実は、これまでにも何度か飛び降りようと試みたのだが、やめた。さすがに跳ぶには躊躇する高さなのだ。万一うまく着地出来たとして、それでも良くて軽い捻挫は免れない。その程度には、自分の運動神経に逆の意味で自信があった。が、青峰の提案は、そういうことではなかったらしい。
「その方がてっとり早いだろ。オラ、受け止めてやるからよ」
言って、木の下で両腕を広げる青峰に、火神がぎょっとした顔になる。黒子はちょっと困った顔で、青峰の逞しい腕をじっと見下ろした。
「…ですが」
「このバカが木に登ったところで、2人分の重みで枝が折れりゃ結果は同じだろーが」
「なるほど。火神くん、やっぱりバカですね」
「そこ納得すっとこかよ、黒子っ! つか、やっぱりとか、さっきから色々ヒドくねえか、お前」
怒ってるんだから当然です、とばかりツンとそっぽを向く黒子に、こんなテツの顔もはじめて見るなと青峰が眇目する。
「おら、テツ。来いよ」
「いえ、でも。それは困ります」
「はぁ?」
「お気持ちは、大変有り難いのですが」
「ぁああ!? 何だよ、テメエ」
「青峰君は桐皇の大事なエースです。そんな人に、もし僕を受け止めてもらって怪我でもされては、責任問題です」
「テメーの重さごときで、誰が怪我なんかすっかよ。おら、さっさ飛び降りろ」
「いいえ。そういうわけにはいきません」
きっぱりと言う黒子に、青峰がやや苛立つ。
「ったく、相変わらず強情だな」
苦々しい顔で、じゃあどうすんだと言う青峰に、黒子がちらりと火神を見た。
「わかりました。火神君で我慢します」
「はぁ!? 何だよ、その言い草は…! つか、俺は怪我してもいいのか!」
「火神君なら大丈夫です。バカは風邪をひかないって、昔からいいますから」
「風邪と怪我はちげーだろが!」
「嫌ならいいですが」
「ぁあ!? ったく…いちいちナマイキなんだよ。嫌だなんて誰が言ったよ」
ぶつぶつ言って、やや面映そうにするものの、ほらよと案外あっさりと木の下で腕を広げる火神に、黒子が存外に驚いたような顔になる。
「ったく。手間かけさせやがって。―ほら」
「いいんですか」
「お前が、俺につったんだろうが!」
「はい。火神君でいいです」
「で、って何だよ。訂正しろバカ」
ムッと見上げて怒られて、それでもなぜか嬉しげに目を細め、黒子が言った。
「……火神君が、いいです」
照れたように、そうかよと返して、来いと火神が腕を差し出す。
「ん」
「…行きますよ」
「黒子、来い」
「はい」
答えるなり、黒子が枝を抱いたままくるりと身体を反転させ、枝にぶらさがるようにして手を離す。身体を丸くして、ふわりと落下した。

スポンサーサイト

ひとまず

オンリーに向けての原稿はじめてみました。
誠凛の夏合宿で、桐皇と遭遇するというお話になる予定。
青峰とのことでイライラする火神とか、氷室の指輪のことでもやもやする黒子とか、そういうの考えてると本当楽しいですね…!(笑)
お互い元カレ(氷室でも火神は攻め希望)に対してトラウマがあるのって萌えますね、すごく萌えます。
まあでもそういうのをあんまりどろどろせずに書けたらいいなーv


そして、ひそかにサーチさまとかに登録してみましたが。
原稿中はSSとかのアップはたぶん無理かなー;;
アニメとかWJとか黒ラジとかの感想というか滾る想いをちょこちょこ吐き出しに参りますv
あー明日のジャンプたのしみ!試合終わったあとのそれぞれの表情とか想像して頭パンクしそうです…!
このページのトップへ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。